素直に「協力するよ」って、心から応援出来たらいいのに、俺は同じ体育館でプレーする、バスケ部の「青木先パイ」に滅茶苦茶嫉妬して、気付くと睨め付けるように眺めている時も多々ある。


「おい、凌太。カオ、カオ!てか、バレーに専念しろよな。部長そろそろキレるぞー?」

「え?あ…」

『沢木ー!何してんだー!』

「すみませーん!…仁、さんきゅ」

止まっていた柔軟を慌てて終わらせて、アップの続きをしながら、仁に謝る。

「まぁ、別にいいけど、お前大丈夫か?目の下すげぇ隈」

「んー…多分、ね」


もう、2学期も残り僅か。
ななとクラスメイトでいられるのも、実質3か月ちょっと。
2年になっても、ななと同じクラスになれる可能性なんてとてつもなく低い。

毎日、ななの事を思っては、それじゃダメだと自分を律して…削られて行く睡眠時間。

「はー。もう…どうにでもなれって感じ」

そんな呟きは、部活活動中の掛け声の中に溶け込んで消えた行った。