本当は、りょーたはずっと私と同じだと思ってた。
だから、いきなり一線を引かれたみたいなこの状況を、頭で分かってはいても心が理解してなくて。


「瑶…」


そう、りょーたが、彼女の名前を呼び度に、胸の辺りがちくちくして嫌になる。


「あーもう!なんなの?!このモヤモヤは!」

自慢のボブヘアを掻きむしって、小さく叫んだ。



りょーた。
りょーた。

私はりょーたが分からない。
私の知ってるりょーたは何処に行ってしまったの?
私の幼馴染だったりょーたは何処?

失うなんて思ってもみなかった。
ずっと心地良いままだと。

なのに、手に届くようで丸っきり届かない。

私が寂しいって言っても、もう戻れないの?
…だったら、私も自分一人で頑張るしかない…。
でも、お願い。
まだ、私の存在をその隣から消さないで。
私を甘やかしたままでいてよ…。