いつものように、怒ったら。 いつものように、「ばか」って言ったら。 また、元通りになれるのかな? そう思っていたのに。 「凌太、これから一緒に帰ろ?」 「いいよ」 「凌太、お昼一緒に食べよ?」 「んー」 「凌太、朝も一緒でいい?」 「はいはい」 彼女がりょーたと私の時間を確実に奪っていく。 当たり前の事なのに、滅茶苦茶悔しくて…。 「りょーたの、ばか…」 既に誰もいなくなった教室で、そう呟いて、きゅうっと口唇を噛んだ。 そんな事をしても、虚しいだけなのに。 何も変わらないのに。