そんな大切な存在が出来たなら、もう幼馴染の距離は保てない。
今はまだ、この手で触れられる場所にいても…。

「やっぱり、離れなくちゃダメだ」

いつまでも子供のまま、この曖昧な関係に甘えていてはいけない。

「…っ」

そう思ったら、凄く泣きたくなってぎゅっと制服のスカートを握り締める事で堪える。
じゃないと、本当に涙が零れそうだったから。


ねぇ、りょーた。
私は、このままりょーたの近くにいたいのに。
それさえも、これからは許されないのかな?

こんなにも近いのに、届かない。
それが凄く苦しい。

私が子供過ぎるから?
それともりょーたがずっと大人になってしまったから?

もう、分からないよ。