そっか…夏休みの間、帰宅部の私とは違い、合宿とか練習とか色々あって、りょーたは殆ど家にいなくて。
全然言葉を交わしていなかったから…。
___私が知らない事だってある、んだよね。
その事実に酷く傷付いてる自分がいて、正直困惑した。
___また、知らないりょーたが出来てしまうんだ…。
それが凄く寂しくて…。
「なんか、やだな…」
ぽつり、呟いて、まだ空席のりょーたの席を見つめてた。
仕方ないよね?
これも一つの成長で、幼馴染卒業の第一歩なんだよね…?
そう、何度も自分に言い聞かせて、わざとりょーたに冷たく当たって、距離を置こうとする事を決めた。
やっぱり、そこでもりょーたの気持ちを考えられずに。
だって、私よりずっと先に進んでいたと思えば、りょーたは私の事を「かわいい」って「好き」だって言ってたのに…。
それが、心地良かっただなんて絶対に言わないけれど…。
「りょーたに彼女、かぁ…」



