「凌太くんが、好き」


それは、突然の事だった。
高校に入学して間もない、放課後の事。
昔は私よりも小さくて、本当に女の子みたいだった幼馴染のりょーたが…体育館裏で告白されているのを偶然にも目撃してしまい、私はそこからゴミ箱を抱えたまま動けずにいた。

や、このままじゃ、会話とか耳に入っちゃうから!

そう思ってなんとか近くの花壇の裏に隠れる。
でも、思いもよらない場面に出くわし、完全フリーズ。
そんな私に気付くはずのないりょーたは、淡々とこう相手の女子に告げる。

「ごめん。俺、好きな子いるから」

そのきっぱりとした受け答えは、とても慣れていて、スピードも早かった。