これが、ななだったら。
ななだったらよかったのに。
そう思う俺って最低。
分かってる。
分かってるけど。
でも、ななに好きな人が出来たと聞いてから、もうずっと。
苦しくて息が止まりそうな程で…このままじゃ本当に死んでしまいそうだったから。

自分に彼女が出来れば、…自然とななの恋も応援出来るんじゃないかって思ってたのに。

「はぁ。ダメだな…ほんとに…」


こんな事、仁に話したら、多分滅茶苦茶怒られるだろうな…なんて思いながら、俺は瑶と別れて自分のクラスへと入った。

この、ココロの穴をどうにかしてよ。
「好き」だという言葉で、埋められるようにしたいよ。

出来たら、キミの為に…。
だけど、キミの恋の為に俺は自分を犠牲にして、このまま進んでいくよ。

キミの為に、俺なりの忠義心を見せよう。

キミ為ならば、何でも出来るんじゃないかってそう思うから。


好きだよ。
好きだよ、なな。

だから、もう…。
キミを「好き」だとは、言わない事にする。