なんだかんだとバタバタして、終わりを告げた3学期。
俺は、留学手続きを終えてすぐに日本を旅立とうとしていたのだけれど。
担任から、「ご両親の意向で、3学期の間だけは日本に滞在しなさいとのことだ」と言われ、そのまま学校へ通い続けていた。


「なぁなぁ、凌太、お前向こう行ったら、そのまんまおやっさんの仕事手伝うわけ?」


仁からそう言われて、少し迷った俺はちょっと考えてからこう答えた。


「んー…親父たちが良いって言えば、学校通おうと思ってるよ」

「まぁ、お前頭良いし。なんとかなんだろ」


ニカっと笑ってくれる仁。
本当は不安で仕方のない俺を気遣って、さらっとフォローしてくれる仁の優しさに心がほっこりした。