りょーたは、私をそっとベッドに座らせると、ふっと微笑んでキスをくれた。
羽根のようなキス。
それだけで蕩けてしまいそうな、キス。


「なな…」


掠れた声。
聞いたこともないような、甘くて低い声。
耳から熱が上がっていって、そこから全身に広がっていく、羞恥。


「好き、だよ…なな…」


その言葉が、今は嬉しくて。
枯れてしまいそうだった心の泉に、潤いを与えてくれる。


自然と零れてしまう涙に、りょーたはどこまでも優しく触れてくれて…眩暈がする。


「りょ、た…」

「うん…大丈夫だよ…俺は、ココにいるから…」


今すぐにでも幻になってしまいそうで、りょーたの頬を両手で包み込むと、またふっと微笑んでそう言ってくれた。

もう、何もいらない。
りょーたのこの温もりがあれば…このまま泡になってしまってもいい。
指と指を絡め合って、視線を交わして、そのままキスを繰り返す。

私は、りょーたの重みを体全体で感じて、瞳を閉じた。