アンディの言葉が頭から離れず、何度もリピートされている。
結局、ちゃんとした答えを出す事も出来ないまま、欠伸を一つして、ふと思い立ったように病室のブラインドを少しだけ開いた。

…そこに、なながいていれたらいいのに、なんて淡い期待を抱いて。
でも、現実はそんなに簡単なもんじゃない。


何時になったら、こんな女々しい気持ちを捨てられるのか。
諦められるのか。

もがいても、もがいても、渦巻く気持ちは完全に負のループに陥ってしまってて…其処から這い上がって来れない。


「はぁ…なんつーか。色々都合いいこと、ないか…」


くしゃり。
自分の髪を掴んで、下を向いた。
もう、どれくらいちゃんと前を向いていなんだろうか。
ななに嫌われてから?
ななと離れてから?

いや、違う。

きっと、ななを好きだと気付いた時からだ。

自分に自信がなくて、それでも愛して欲しくて。
「好きだよ」と言えば言うほど、苦しくなって…隣にいるのが辛かったんだ。


だけど、それでもななを好きな気持ちに嘘はつけなくて。

「いつかは報われる」

そう言い聞かせては、地団駄を踏んで、駄々を捏ねる子供のように意地を張ってた。


そのいつかって、何時になる?
そんなもの、未定以下の不確かな可能性しかないのに。