想いを引き千切る様にして、日本を出た俺。 結局俺は、意気地がなくてななの顔もきちんと見ることが出来ないまま、逃げるようにして車に乗り込んだ。 ななのいる家に視線さえ送る事もせずに。 じゃないと…。 そうでもしないと、未練で焼き切れて、惨めな姿をななに見せてしまいそうで。 自分で一番嫌いな姿をななにぶつけてしまいそうで…怖かった。