ぐいっと腕を掴まれて、バランスを崩した。
急に職員室への道を外れて、ずっとずっと手前にある視聴覚室に連れ込まれ、そのまま石井ちゃんはカチャンとドアの鍵を閉めてしまった。



どきん、とする胸。
いけないと、反応する心。



石井ちゃんはいつになくマジな顔。
すすっと近寄って来て、逃げようとする私を容易く抱き締めてホールドした。


「なんで、逃げんだよ?傷付くだろ?」

「だって、ここ学校だし。てか顔近い!」



じりっと近寄ってくる石井ちゃんの綺麗に顔を手でなんとか押し退けて、私は抵抗をした。
でも、そんなの全然石井ちゃんにはきかなくて。


「んなこと、関係ねぇよ」


と、耳元へキスを落とされてしまう。


「っけど!こんなの、誰かにバレたら、石井ちゃん学校辞めさせられちゃうかもしれないんだよ?」


精一杯の懇願。
でも、それさえも熱を帯びた瞳に吸い込まれてしまう。