生徒会室をあとにしたわたしは、教室に向かった。


「お待たせ。遅くなってごめんね」

「それはいいんだけど。話し合い長かったんだな?」

「モトコー。待ちくたびれたよ」


いつも通りの雅人とレオを見て、ホッとする。


ついさっきまで

生徒会室でピリピリした空気が流れた。

いつもと様子の違う会長に、圧倒された。


そんなときやってきたのは


……倉田千夏だった。


千夏は唯一の一年生の生徒会メンバーで、書記である。


役員の千夏もいることだし是非うちのクラスに安心して模擬店を任せてもらいたいものだが……。


生徒会長を「嘘つき」呼ばわりしたわたしの味方を、あの腹黒会長様がしてくれるとは思えない。


せっかくだけどクラスのみんなには模擬店以外の案を再度練ってもらうしかなさそうだ。


あんなにモチベーション上がっていたのに『ごめん模擬店無理だった』なんて伝えにくいなぁ。


困った……本当に、困った。