「てめえが、ふたりの犬だっつったんだろうが」
怒ってる。
わんこの世話を放棄したこと。
……わかってるよ。
気になってたよ。
でも、行けなかったの。
「……っ」
なにか言葉にしたいのに、それよりも先に。
あたしの頬を涙が伝った。
怒られて怖いんじゃない。
……黎に会えて、うれしくて。
あたしは黎に会いたかったんだと。
なによりも先に、体が、本能で訴えてくる。
「そこのあなた、なにしてるのっ……!」
と、背後から響く怒鳴り声。
ハッと我に返る。
騒ぎを聞きつけた先生が、やってきたようだ。
このままじゃ、黎がヤバイ。
「黎、こっち!」
あたしは咄嗟に、掴まれた腕をそのまま引っ張った。



