「足りてるけど?」
お兄ちゃんは、思春期の男の子ならよくある反抗期というものは特にない。
無愛想なのは、生まれ持っての性格らしく、親に反抗的な態度を取るわけでもない。
あたしにぶっきら棒なのも、今に始まったことじゃないし。
「……そう。……食パンの減りが早くて」
…………!!
首をかしげるお母さんを見て、心臓が止まりそうになったのは、あたし。
それって、あたしがわんこにあげてるパンのこと……?
……まさか、ここで言われるとは。
毎日、キッチンの棚の中から拝借している食パン。
減り方が早いとか、そんなことをチェックされてるなんて思いもしなかった。
冷や汗がぶわっと浮かぶ。



