「極道に女が生まれたって、中途半端なの。跡を継ぐわけでもないのに、ヘタに怖がられて。オシャレして買い物にだって行けないんだから」
思っていることを、そのまま口にした。
一理ある、というように彼はうなずいたけど。
「兄貴がいるだろ、男に生まれたら、それはそれで面倒なんじゃねえの?」
「どうして?」
「跡継ぎはひとりで十分だろうが」
言われて納得。
お父さんにも弟がひとりいる。
"和希(カズキ)おじさん"といって、お父さんの2つ年下。
「そっか……。お父さんにも弟がいるんだけど、極道とは全く関係のない仕事についてるの」
「だろ?」
「そんなに頭が良かったわけでもないみたいだけど、今は自分で起業して、IT企業の社長さんやってる」



