この食パンは、お母さんの知り合いが経営しているパン屋さんの食パン。
すごく美味しいの。
保存料や添加物なんて入ってないし。
わんこに毒になるわけない。
彼も、ちぎれんばかりに尻尾を振りながら食パンを食べるわんこを見れば、ダメと言えなくなったようで。
今ではもう諦めた様子。
いつものように食パンをあげると、わんこはお腹いっぱいで気持ちよくなってしまったらしい。
そのうち完全に目を閉じてしまった。
スースーと膨らむ温かいお腹に手を当てながら、彼に問いかける。
「兄弟いるの?」
「いねえ」
「あたしはね、兄がいるの」
自分のことを話すのに、少しドキドキしながら投げたそれに返ってきたのは、あまりにもアッサリした言葉。



