その瞳にジッと見つめられて耐えられるほど、あたしの心臓は丈夫じゃない。
そして、目線を少し下げれば、口角の上がった形の良い唇。
「!!!!」
昨日のキスを思い出して、体が熱くなる……。
「俺の犬だからもう関わるな」
そんな想いはあたしだけだったみたいで。
彼は冷たく言い放つ。
「あ、あなただけのものじゃないでしょ。あたしだって、昨日鳴き声が聞こえたから今日気になって来てみたんだし」
「俺のだ」
「……っ。もしかしたら、昼間は他の人が世話してるかもしれないでしょ」
「んなヤツいねえよ。俺の犬だ」
どういう自信?
「そ、そこまで言い張るなら、連れて帰ればいいじゃん」
「……無理なんだよ」
そう言う彼は、本当に残念そうで。
連れて帰りたくても、どうしても出来ない事情がある様子。



