「わんこ、捨てられちゃったの?」
抱きかかえると、体をブルブル震わせる。
「寒いの?」
スウェットのファスナーを開いて、その中にわんこを入れる。
わんこはあたしの胸の中でじっとしていた。
人に、慣れてるのかな……?
子犬ってそんなものなのかな……?
それにしても、すごくあったかい。
可愛いなぁ。
そうだ。
「お腹空いてるでしょ?お食べ」
持って来た食パンをちぎって与えると、やっぱりお腹が空いていたのか、わんこはそれを美味しそうに食べ始めた。
しばらくそんな姿を見ていると。
「おい、何やってんだ」
その声は振ってきた。



