「これのどこが見苦しいの?」
これでも、お父さんが見立ててくれた一張羅なのに。
「そういうワンピースは、もっとこう……セクシーな女が着るもんだろ?美月が来たって貧疎で見苦しいわ」
「失礼な。レディーに対してなんてこと言うのよ」
「レディー?どこに……?今日は曇ってるせいかよく見えない」
「ほんっとデリカシーの欠片もないんだから。旬さんが結婚出来ない理由が分かった気がする」
「ノーノーノー、俺は結婚できないんじゃなくて、しないの!」
「はいはい」
まったくめげない旬さんとの会話はいつも長くなるから。
あたしからぶった切って終わりにすると。
ジッ……と視線を感じた。
この気配は……。
「虹池で何があった」
低く声を落とすのは……テルさん。



