柳迅会(リュウジンカイ)という、日本で知らない人はいないだろうというくらい有名なヤクザ。


高校生の時に両親が出会って恋におち。


ハタチのときに結婚してお兄ちゃんが生まれ、2年後にあたしが生まれた。


家の仕事については、女は関わるなと小さいころから言われてきたから、具体的になにをしているのかあたしは何も知らない。


世間知らずだったのかもしれないけど、あたしは自分の家がそんなに怖い世界にいるだなんて感覚はなかった。


けど、周りは違った。


小さいころからあたしはお嬢様だと敬遠され、ろくに友達もいなかった。

家にはお手伝いさんがいたし、小さい頃あたしは、自分が童話の中に出てくるお姫様か何かと勘違いしていたんだと思う。