「分かってるよ。言ったでしょ。あたしに怖いモノなんてないし……」 もう、誰でもいい。 王子様じゃなくたって。 あたしを攫って連れて逃げて。 その先になにが起きても、もう構わない。 「……じゃじゃ馬、か」 え? 彼が呟いた声に眉をひそめた瞬間。 突然腕を掴まれた。 グッと近づく顔と顔。 ……え。 次の瞬間視界が真っ暗になって。 温かく、濡れた唇があたしの唇を覆った。 「……っ……」 一瞬で頭が真っ白になり、動けなくなる。 そんなあたしに彼は。 まるで、飢えた獣のごとく、唇に絡みつく。