なに……?
驚かないの?
てか、怖がらないの?
「え?知ってるよね?本郷。日本のヤクザを牛耳ってる柳迅会。ウソじゃないよっ、今日はあたしのお父さんが会長になる襲名披露パーティーがあったの。さっきまで帝王ホテルにいたんだから」
それとも、ハッタリだと思ってる?
いつもだったら隠したい素性を必死でアピールしてしまうなんて、不本意だけど。
あまりにも興味を持ってくれないから。
この人、ほんとに日本人?
「ほら、だからこんな格好させられて……」
……言ってて虚しくなった。
本郷の人間だとアピールしたくせに、本郷の人間であることを誇りに思ってるわけじゃない。
あたしが勢いを失くすと、それを待っていたかのように彼は。
「ふうん……本郷家の天使、か」



