少し尖った冷たそうな瞳をしているけど。
サラサラの少し長い前髪と、口角の上がった口元が、全体のバランスをよくしていて。
お兄ちゃんのように、無駄に怖いだけの顔じゃない。
もしかして……
もしかして……
この人が待ちに待った王子様……?
悪党から、身を呈してあたしを守ってくれて。
まさに絵に描いたようなストーリー。
ついに、あたしの長年の夢が叶うときがきたのかもしれない。
現れた王子様に、興奮で胸が高鳴った瞬間。
「礼も言えないのか」
低く、放たれる言葉。
そして立ち上る、紫煙。
細い指に挟まれた白いものは、間違いなくタバコで。
すっと熱が冷める。
……王子様は、そんな毒舌も紫煙も吐き出さないわ。



