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時刻は、間もなく6時。
「美月、片足に重心乗せるな」
「はぁい」
「スマホはしまえっ」
「えー……」
徐々に招待客が集まり、あたしとお兄ちゃんは新会長の息子と娘として、入り口でご挨拶の最中。
人が途切れた時に、気を緩めるくらいよくない?
あたしは10センチものヒールを履かされて、足が悲鳴をあげそうに痛いのに。
「だってじゃねえ」
「…………」
そんな気持ちを汲んでもくれないお兄ちゃんは、ものすごい怖いオーラを浴びせてくる。まるでテルさんみたい。
思わず、押し黙ってしまう。
「パーティーが始まったら引っ込んでていい。それまで我慢しろ」
「……わかりました……」



