「でもさー、こんなスーツまで用意されちゃあもう入るしかないだろ。な、凌牙さんに頼んでくれよ。組に入れてくれって」
「やめときなよ。てか、颯人は無理でしょ。度胸ないし」
「ほんっと、いつも一言余計だよな」
「だって、ほんとのことだもん」
「ちぇーっ、黙ってりゃ可愛いのに」
「アホじゃないの?」
颯人に可愛いと言われて、顔を赤らめるような間柄でもない。
「だから美月はモテねぇんだよ」
「そういう自分はモテるんですか?」
「それ聞いちゃう?長くなるぜ?」
待ってましたとばかりに、颯人が目を輝かせたとき。
「無駄口叩いていないで手を動かせ」
コツン……なんて軽いもんじゃない拳が、颯人の頭にふり下された。
「いてっ!!!」



