「あ、バレタ?」
うちのお父さんを尊敬している颯人は、柳迅会に憧れていたりする。
それはもう小学生の頃から。
だから同級生とも話が合わず、颯人はあたしと一緒にいることが多かった。
今では兄弟のようになんでも言い合える。
でも、間違っても颯人とは恋愛関係に発展しないだろう。
あたしの理想は、強くて優しい王子様タイプだから。
「今日は脱走すんなよ」
「分かってるって」
結局颯人は、あたしの監視役みたいなもの。
不慣れなところでひとり作業をするより、気の置けない颯人がいれば……という配慮でもあるんだろうけど。
尊敬しているお父さんに頼まれて断るわけがない。
颯人は二つ返事でオッケーしたみたい。
お父さんが銀行員だったら、銀行員に憧れるのかな……。
……それも、なんか違う気がする。



