仮に、お母さんの言う様に、黎にそんな気持ちがあったとして。
お兄ちゃんに殴られて、現実を見たはず。
それに、将来は大企業の後を継ぐお坊ちゃま。
お父さんと同じように、高校時代は青春してたとしても。
これからいい大学に入って、そして、本物のどこかのお嬢様と……。
……ヤクザの娘なんて、相手にしてる場合じゃない。
あたしと黎なんて、やっぱり生きる世界が違うんだよ。
「うっ……」
自分の立場を再確認して、こみあげる涙。
はじめて知った恋なのに。
その芽がようやく開きかけたのに。
もう、この芽は摘まなきゃならないの……?



