黎……会いたいよ……。
黎の気持ちを聞きたいよ……。
階段下で待ち伏せていた組員は、階段を駆け下りたあたしを見ると、そっと道を開けてくれた。
きっと、お母さんがなにか言っておいてくれたんだろう。
お兄ちゃんよりも、お母さんの方が今はまだ権力があるみたいだ。
外へ出ると、はやる気持ちが抑えられなくて、最後は息を切らせて公園まで走った。
ドキドキしながら、いつもの場所に行く……けど。
「いない……か」
そこは、物音ひとつしない静かな夜の風景。
人っ子ひとり見当たらない。
そんな、ドラマみたいなことが起こるわけないよね。
その場にしゃがみ……両手を覆う。



