ベッドから降り、無意識に覗いたのは鏡。
手ぐしでさっと髪を整えていると、鏡に映ったお母さんがそんなあたしを微笑みながら見て言う。
「あの時のお父さんのセリフ、ドキッとしちゃった」
「どれ?」
鏡越しに、お母さんと目が合う。
「昔ね。あたしも言われたことがあるの。部屋で猫でも飼ってんじゃねえだろうなって」
ああ、この間の夕食の時の会話か。
「え?お母さんが、お父さんに?」
「そう」
それ、どんな状況で……?
すっごく気になるけど。
「その話、今度聞かせて!」
そう言うと、あたしは部屋を飛び出した。



