「颯人ー、顔怖いよ?」
「ただでさえ顔面ヤクザなのにねー」
「颯人はほっといていいからさ、こっちきなよ」
「何ちゃん?」
その場にいた女の子ふたりが、フレンドリーに言葉をかけてくれる。
みんな黎の友達のはず。
帰りたい気持ちでいっぱいだけど、せっかく連れてきてくれた黎の顔を潰すわけにもいかず。
わけのわからない颯人を無視して、あたしは笑顔をつくり自己紹介した。
「はじめまして、本郷美月です」
パリンッ……。
そんな音が聞こえたんじゃないかってくらい、一瞬で空気が張りつめた。
みんな一様に動きを止め、あたしを見つめる。
……え?なに?
あたし、なにかおかしいことでも言った?



