「昔から、オヤジと長男は確執が色々あったって話。オヤジはそんなの一言も言わねえけど、色んな所から聞かされた」
「……」
「まだジイさんが元気だから現役だけど、オヤジが将来社長になることは決まってるし、俺だってその道を辿るんだよ」
「……そう……なんだ」
「結局、イヤだっつっても、家は捨てられねえ……」
黎の苦悩が垣間見えた。
あたしが、極道の家に生まれてイヤだと思ったように。
それがあたしとちがって、世間に認められた名家であっても。
「俺さ、本当は獣医になりたかったんだ」
あ……。
だから……。



