「オマエ驚きすぎだろ」
黎は、金魚のように口をパクパクさせているあたしをおかしそうに笑うけど。
「驚くって!!!」
あたしみたいな"エセ"お嬢様じゃなくて、黎は正真正銘のお坊ちゃまなんだから。
そんなお坊ちゃまが、夜の公園に現れたり、あたしに、その……あんなことしたり、タバコを吸ったり……。
夢にも思わないって。
え、ほんとに黎は橘造船の息子なの……。
もしかして、からかわれてるんじゃないかと疑ってしまう。
「オヤジは次男だから継ぐ予定じゃなかったらしいけど、長男が病気でずっと入院してて継げる状態じゃなくなったんだよ」
神妙に話しだす黎に、それが嘘でもなんでもないとわかる。



