「お母さん!なんで、光は野球やっちゃダメなの!?駆流はやってるのに!!」



駆流が野球のクラブに入ったのは小学3年生の頃。



私は自分だけ仲間外れにされたみたいで怒っていた。



「でも、野球は女の子はやらないのよ?」



「そんなのずるい!!もういいもん!!お母さんなんて知らない!!」



なんでダメなの!?




お母さんはきっと意地悪なんだ!!




そんなことを考えながらサンダルを履いて、




そのまま家を飛び出して、近くの公園に走った。



私が落ち込むと必ずここに来る。



「はぁ、はぁ、光?どうしたの?お母さん心配してたよ?」




息を切らした駆流がいた。




こういう時、いつも息を切らして走ってきてくれる。




私より足遅いのにね。




「いいもん。・・・・・・お母さんなんて知らないもん。」



私はいつも駄々をこねて駆流を困らせてた。



駆流は私の隣に座って話しかける。



「何があったの?」