「表情見てれば、なんとなく言いたいことわかるし」

表情が、自分にもあったことに驚いた。

私は今、君の前でどんな顔をしているのだろう。
って……こんな人無視して席につけばいいのに。

なのに私、なぜか夏樹君を無視できないでいる。気づけばバカみたいに会話に付き合ってる。

夏樹君の明るさがそうさせるのか、絆されそうになってる……?
だとしたら、この人は危険だ。

私が自分を守るために閉じた世界を、こじ開けようとするから。

「これから、冬菜にたくさんプレゼントを贈るから」

「っ……ぇ?」

今、なんて言ったんだろう。
不穏な言葉が聞こえた気がした。
贈り物って、どうして私にそんなことをするの?

「覚悟しとけよ?」

「……なっ」

ふざけないでよっ。
毎回こんなことされたら、たまったもんじゃない。

話すことも、話しかけられることにも疲れた私は、もう誰にも近づかない、孤独に生きると決めた。

冗談じゃないと、私は夏樹君を睨みつける。