ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「来る!」
 
神の守りに向かって膨大な魔力を秘めた力がぶつかった。

「ぐうぅっ!!」

「ブラッド!」
 
オフィーリアは俺の服を掴むと心配してか名前を呼ぶ。
 
こう何度も名前を呼ばれるのは嬉しい事だけど、もっと他のところでいっぱい呼んでほしいかな。

そんな事を思いながら苦笑し彼女に目を戻す。

「これくらい平気さ」
 
オフィーリアを抱きしめる腕に力を込め、右目に魔力を注ぐと紅い瞳の輝きが更に増す。

「駄目よブラッド! それ以上魔力を使ったらあなたの雫が!」

「大丈夫だ!」
 
神の守りのおかげでぶつかった魔法を防ぐ事は出来た。

だが次は。

「もっとやばい魔法が来る」

俺はそう確信していた。

★ ★ ★

「あれれ〜? おかしいな」
 
とっておきの魔法をぶつけたはずなのに、屋敷は何一つ壊れていないし傷も付いていない。

不思議に思ってよく見ると、屋敷全体を防御魔法が働いている事に気がつく。

「へえ……あれで防いだってわけだ。僕の魔法を防げる程の魔力を持った人か」
 
今回の目的は彼女を回収する事だけど、ちょっとくらい遊んでも良いよね?

「じゃあ次の魔法はどうかな?」
 
目を見開きニヤリと笑った僕は、左手の平に真っ黒な玉を作り出すとそれを頭上へと掲げる。

「闇の精霊よ、黒の精霊よ、破壊の精霊よ、この僕に力を貸し与えたまえ」

真っ黒な玉に闇の力が集まって来る。そして闇の力を蓄えていく真っ黒な玉は膨張を始る。

「今度は防げないよ」
 
僕は屋敷目掛けて膨張して大きくなった真っ黒な玉を放った。

「破壊の咆哮(ディストルツィオーネローア)!!」
 
その言葉で分裂した数多の黒玉が屋敷に向かって降り注がれる。

「これを止められとしたら、あの御方くらいだ……」
 
僕はニヤリと笑う。

「これで彼女が回収出来れば、僕はあの御方に褒められる!」
 
あ、でもさっきの魔法で生きているとは限らないか。

「いや、それはないか。何しろ彼女は【エアの末裔】なんだから」

エアの末裔の人がそう簡単に死ぬはずないよね?