ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

となると、奴らが狙っている宝石は英雄の魂が宿ると言われる英霊石か――

「奴らが狙っている宝石の名は【星の涙(ステララルム)】」

「っ!」
 
その名前を聞いた俺は目を見開いた。
 
あいつらも星の涙を狙っているだと? でもそれとオフィーリアを狙う理由は何だ? 星の涙とオフィーリアには関係があるのか?

「聞いてるのかブラッド?」

「あ、ああ。それでその星の涙は今どこにあるんだ?」

「それは分かっていない」

「そうか……」
 
やっぱりそうだよな。魔法警察でも星の涙の在り処を見つけるのは難しいか。

「けど……ミューズはよくそんな情報を持って帰って来れたな」

俺は目を細めてレオンハルトを見つめる。

「それはどういう意味だ? ミューズが道化師の一味だとでも言いたいのか?」

「そう考えるのが普通だろ?」
 
あいつらの目的を知るための手掛かりを、ミューズはどうやって手に入れたって言うんだ? 

そんな情報あいつらの仲間だったら簡単に手に入れられるものだ。

俺の言葉に目を細めたレオンハルトは声を低くして俺に聞く。

「俺に喧嘩でも売っているのか?」
 
レオンハルトの気迫に肩が上がった俺は慌てて言う。

「そ、そう怒るなよ! 可能性の話だろ?」
 
ミューズが俺より出来る奴だって言うなら話しは別だが。

「ミューズは捜査一課の中でも潜入捜査を得意としているんだよ」

「潜入捜査……ね」
 
ああ! それなら納得が行く。が、潜入捜査が出来ると言うだけで、重要な情報を入手出来るものなのか?

「ミューズの力は誰もが認めているんだ。もちろん俺だってそうだ」
 
レオンハルトがそこまで言うんだ。きっと俺の考え過ぎかもしれない。と、片付けたいところだが、そんな簡単に人を信用できるほど俺は単純な人間じゃない。

「悪いけどミューズはしばらく様子を見させてもらう」
 
もしかしたら今回の事件だって情報を持ち帰ったと装い、レオンハルトを殺そうとしたかもしれない。

あえてレオンハルトと二人きりになり、逃げられないように警察署に火を放ち殺そうとした。