ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

★ ★ ★

俺は街中を歩きながら、さっきのレオンハルトとの会話を思い出していた。

「何で道化師たちはお前を狙った?」
 
俺の質問にレオンハルトは躊躇うことなく話し始める。

「それはミューズが持ち帰って来た情報が関わっていると俺は思う」

「ミューズの?」
 
奴らが襲う程の情報……。いったいどんな情報を持ち帰って来たっていうんだ?

「俺たちからしたら道化師は悪の組織だ。でも中には道化師たちを善だと言う者たちも大勢いる」

「それはあいつらが表向き、善の行いをしているからだろ?」

俺の言葉にレオンハルトは頷く。
 
道化師は黒魔法を使う悪の組織だが、その黒魔法を使って必ず悪いことをしている、と言うわけではないんだ。

黒魔法を使って困っている人たちを助けたり、呪いで苦しんでいる人に逆に黒魔法を掛けることで助けたりと、あいつらは黒魔法を使って人助けをしている。

そのおかげで助かった人たちは、【道化師は悪じゃない、神様だ!】と信仰心を持ち始めた。

もしかしたら奴らが善の行いをするのは、信仰者を増やすためなのかもしれないと考えたことがあるが真実はまだ掴めていない。
 
だから魔法協会も未だ道化師たちを完璧な悪だと言い切ることが出来ないんだ。

「ミューズが持ち帰って来た情報ってなんだよ?」

「あいつが持ち帰って来た情報は、奴らが狙っている宝石のことだ」

「宝石だと?」
 
何であいつらが宝石なんて探しているんだ? 宝石を使って何かするつもりなのか?

「奴らが探している宝石はただの宝石じゃないらしいんだ」

「守護石とか英霊石とか魔力を持った宝石ってことか?」

「そうだ」
 
英霊石ならまだ分かるが守護石の可能性はないだろう。あいつだって守護石のことは知っているはずだ。

オフィーリアが持っているような守護石なら価値はあるが、まともに働かない守護石を持ったところで、必ず自分を守ってくれるとは限らない。