ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「冗談だ。しばらく恋人は作る気ないんだ」

「なんで?」

「面倒くさいから」
 
こいつ【面倒くさい】の一言で切り捨てたぞ! 女の子と付き合うことが面倒くさいだなんて……。
 
俺はレオンハルトに指をさして言う。

「勿体無いぞ!」

「なんで?」
 
まさか気づいていないのか? 自分がモテていることに!?

「女に騒がられるのは苦手だし、一人で居る方が気楽で良い」

「……お前さ、そんな考えだとこの先の人生、一生一人身だぞ?」

 
俺はミリィに言われた言葉をそのままそっくり、レオンハルトに言ってやった。俺より確実に一人身になるかもしれないこいつには、絶対に言っておいた方が良いと思ったからだ。

「一人身ってのも良いな、一人でのんびりと過ごしてみたいし」
 
こいつ絶対ミリィの気持ちに気づいていないな。そういうことに関して人一倍鈍感だからな……。これは真正面から言った方が早く伝わりそうだ。

「じゃあミリィとかは?」

「ミリィ?」
 
ここは幼馴染としてミリィとレオンハルトには幸せになってほしい。だから少し手助けさせてもらう。

「ミリィのことはどう思ってるんだよ?」

「そうだな……とりあえず妹?」
 
予想通りの応えが返ってきて脱力する。
 
うん、まあそうだよな。俺だってあいつのことは妹だと思うし、レオンハルトがそう思うのも分からなくはない。でも少しは女として見てやってくれ……。

「本当にそれだけか?」

「それだけだ。他に何かあるのか?」

「駄目だこいつ……」
 
呆れた俺は額に手を当てる。
 
すまないミリィ。俺でもこいつにミリィを意識させるのは難しい。だから後は自分で何とかしてくれ。