ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「あれがないと……外を歩く事も出来ないのに」
 
その言葉を聞いて俺は目を見開いた。
 
そっか……この子はその髪色のせいで、自由に外を歩く事が出来ないんだ。

そう思えば裏路地でレッドアイを待ち伏せしてたのだって、彼女なりの考えだったわけだ。

街で聞き込みをしようにも人に聞く事が出来ない。

彼女が顔を隠しているのは自分の正体を知られたくないからだろう。

だから少し常識知らずのところがあるんだ。

「仕方ないな」
 
そうボソッと呟いた時、彼女はムッとした表情を浮かべた。

「仕方ないなって! 元はと言えばあなたが大爆発なんて言う魔法を使うから!」

「ごめん。それはマジで悪かったと思ってる。だから俺に任せてくれ」
 
俺は指を鳴らすと真っ白な布を宙に出す。
 
その光景を目の当たりにしたオフィーリアは、目を瞬かせると聞いてくる。

「い、今どこからそれを?」

「残念だけど種明かしは出来ない。そんなことしたらマジックが面白くないだろ?」

「マジック?」
 
【マジック】という言葉に彼女は首を傾げる。

どうやら生まれて初めてマジックを見たようだな。いやその前に【マジック】と言う単語すら知らなさそうだ。

「ま、良いや」
 
説明するの面倒くさいから実際に体験してもらおう。
 
俺は手の中に布を掴み、それをそのままオフィーリアに被せる。

「な、何するのよ!」

「良いからじっとしてろ」
 
俺の言葉にオフィーリアは身動きをやめる。
 
よし、聞き分けの良い子は好きだぞ。

「それじゃあ行くぞ。三……二……一!」
 
パチンッともう一度指を鳴らす。そして彼女から被せた布を取る。