ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「ただいまギルバート様は会議中でございます。いかがなさいますか?」

「ならそれが終わった後で良い」

「かしこまりました」
 
お姉さんにカードを渡され、受付の横を通って図書館に向かう。

「さてと、今日一日ここは俺の貸し切りだ。これで情報集めが出来るな」
 
図書室の前に辿り着き、さっき手渡されたカードを機械の中へと差し込む。カード番号を認識した扉は音を鳴らすと、ゆっくりと開いていく。
 
俺は目の前に広がる本棚の数を見て笑みを溢す。

「ここならきっと【虹の花】についての情報があるはずだ」
 
とりあえず着ていた上着を椅子にかけ年代別に本棚を巡って行く。

「まずは二百年くらい前の本から調べていくか」
 
目の前にあった本を一冊手に取って見る。

「これは医療魔法の魔法書か?」
 
パラパラとめくって見ると、俺が知らない医療魔法ばかりが載っていた。

「これはかなり高度な魔法だな。こういう本はミリィに読ませてあげたいけど、普通の人が使ったら直ぐに倒れるレベルだな」
 
凄く興味深い魔法書だが、俺が探しているのはこの魔法書ではない。

「次の本だ」
 
魔法書を元に場所に戻し次の本へと手を伸ばした。

✩ ✩ ✩

それからしばらく虹の花についての魔法書を探したが、一冊どころか単語すら出てこなかった。

「くっそ!」
 
イライラしながら机に拳を思いっきり打ち付ける。
 
ここは世界で一番大きな図書室だ。だからありとあらゆる魔法書が揃っている。

そのせいもあって、ここへ入るには魔法協会への申請が必要だ。なんせここにある魔法書全てを魔法協会が管理しているからな。

それだと言うのに、ここでも虹の花についての魔法書が見つからない。

「くっそ……虹の花があれば!」
 
オフィーリアの雫の代わりになるかもしれないというのに。