ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「違うよ。俺が調べていたのは命の宝石と星の涙についてだ」

「えっ……」
 
彼女は驚いて目を見開く。
 
きっと自分のために情報を集めているなんて、思っていなかったのだろう。

「私のために?」

「もちろんだ。言っただろ? 諦めるのはまだ早いって」

「そう、だけど……」
 
オフィーリアは辛そうに視線を下に向ける。そんな彼女の手を優しく取る。

「ブラッド?」

「心配するな。必ず見つけ出してやるから」

俺の言葉に軽く笑ったオフィーリアは小さく頷いた。

「あとさ、お前に一つ聞きたい事があるんだ」

「私に?」

「昔のエアとトートについてだ」
 
オフィーリアは首を傾げると聞いてくる。

「どうしてそれを私に?」
 
俺は持っていた書物を彼女に見えるようにして言う。

「この書物にはエアとトートが戦争を終わらせた事と、魔法を与えたことだけが書かれている」
 
オフィーリアは書物に目を向けると目を細める。

「それしか書かれていないの?」

「そうだけど?」
 
彼女は数秒考え込んでから口を開く。

「ちょっと見せてもらっても良い?」

「ああ」
 
俺はオフィーリアに書物を渡す。彼女はエアとトートの事が書かれているページを見つけると目を見開く。

「本当にこれしか書かれていないんだ……」

「オフィーリア?」
 
オフィーリアは信じられないとでも言うような表情を浮かべていた。

「もしかしてそこに書かれている事は、偽りだったのか?!」

「う、ううん。間違ってはいないけど」
 
じゃあいったい?

「ここには……記されていない事がたくさんあるの」

「記されていないこと?」
 
オフィーリアは言いづらそうに口を噤んだ。でも直ぐに決心したように俺に目を向ける。