ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

「面白いじゃないか」
 
クラウンは私に右手をかざす。その姿に私は座り込みながら後ろに後退りする。

「君を殺してその星の涙を貰い受けよう!」

「っ!」

「闇の波動(ダークウェ―ブ)!」
 
黒い渦をまいた波動が向かって来て私は目を閉じた。
 
その魔法は確かに私に直撃したはずだった。

しかし──

「なに……?」

「なんだあの宝石はよぉ?」
 
彼等の言葉にそっと目を開けた私は、お母様から貰った首飾りが光っている事に気がついた。

翡翠色の宝石は光を放ちながら、その光で私を守るように体を包み込んでいた。

「主を守る守護石か……ここまで忠実に主を守る宝石を見たのは初めてだ。中々に興味深い物だが少々厄介だな」
 
私は守護石と呼ばれる首飾りを掴んで立ち上がった。
 
どうしてだろう? この守護石を掴んでいると心を落ち着かせる事が出来た。体から震えが消えて立ち上がるための力をくれた。

「アルファ、ベータ、ガンマ。その子を逃がすなよ」

「分かっております」

「はいはい。僕に任せて下さい」

「小娘一人なんぞに三人なんて要らないだろ?」
 
三人はクラウンの言葉を聞くと、私を逃さないために囲んだ。

「っ!」

「さあ、どうするの?」
 
アルファは軽く笑うとそう質問してくる。

この人たちに星の涙を渡すわけにはいかない。これは私が守らなくちゃいけなんだ! 

でも私一人じゃ逃げる事も出来ない。いったいどうすればいいの?

「霧(ミスト)!」