ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.1

俺はオフィーリアの方を振り返る。しかしオフィーリアは顔を下に下げたままで、表情を伺う事が出来ない。

「オフィーリアさんがエアの末裔だって言う証拠は二つあります。まず一つはその綺麗な白銀の髪色」

「それが何だって言うんだ?」

「エアの末裔は全員が白銀の髪の持ち主で、エア本人も白銀の髪の持ち持ち主だと言われているんですよ」
 
だからオフィーリアはフードを被って顔を隠していたのか。人の目が届かないところに隠れ、人と関わりを持たないように生きて来て。
 
もちろん顔を隠していたのは、道化師たちに見つからない様にするためもあると思うが、髪を隠していた一番の理由は、自分がエアの末裔だと言う事を隠すためだったんだ。

「今はいつもの髪から金髪へと変えているようだけど、僕たちは直ぐに見抜けますよ」
 
アルファは目を細めてオフィーリアの様子を伺う。その目付きに俺の体を悪寒が襲う。

「二つ目は彼女の胸元にある剥き出しの雫ですよ。ブラッドさんも見た事あるんじゃないですか?」

「ああ、ついさっき見たよ。でもあれは……」
 
なぜオフィーリアの雫は剥き出しの状態で表に出ているんだ? 雫は体内に宿っているはずなのに。

「あれは僕たちが探してる宝石ですよ」

「っ!」
 
アルファたちが探している宝石って確か星の涙!
じゃあオフィーリアの雫が、俺が求めていた宝石!

「宝石の名前は星の涙(ステララルム)。怪盗レッドアイさんも探していた物ですよね?」

「そ、それはっ!」
 
確かに俺もその宝石を探していた。俺自身の願いを叶えるために。

「そんな……」
 
オフィーリアは俺の手を振り払った。

「お、オフィーリア!?」
 
俺から距離を取ったオフィーリアは魔剣レーツェルを抜くと構える。そんな彼女の姿に目を見開く。

「あなたもこれが狙いだったの? 私を守ると言ったのは星の涙が狙いだったからなのね!」

「違う! 俺は本当にお前を」

「いや! 聞きたくない!」
 
オフィーリアは震える手に力を込めながらレーツェルを向ける。

「あなたの事は信じていたのに……あなたなら信じられると思っていたのに!」