泣き止んで私は蒼瀬から離れる。


「たくさん泣かせて、ごめん。」


「ううん。私こそ、ごめん。ジャージ汚しちゃった。」


「いいよ。こんなの。あっ、その、詩織が良かったら一緒に帰ろ?」


いつもなら喜んで一緒に帰るけど、今日は頭が混乱してぼーっとする。


「ごめん。これから、友達の家に行くから。」


そう言うと蒼瀬は悲しそうに笑った。


「そっか。じゃあ気をつけて。」


「うん。またね。」