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仁からの連絡が途絶えたのはゴールデンウィークに入った直後からだったという。


長い休みの内に何度か会う約束をしていたらしいけれど、その連絡もつかなくなった。


「仁は今までも約束を破る事があったの?」


学校の近くの公園。


2人でベンチに座り、あたしは朱音の話を聞いていた。


「ううん。約束はちゃんと守ってくれる人だった」


「じゃぁ、今回が初めて?」


そう聞くと、朱音は小さく頷いた。


公園内には小学生くらいの子たちが遊んでいて、笑い声が聞こえて来る。


いつもなら元気になれる明るい笑い声も、今は邪魔くさく感じられてしまう。


「あたしからも仁に連絡してみるよ」


あたしはそう言うとすぐにスマホを取り出した。