由梨が学校へこなくなって3日が過ぎた。


朱音が時々話かけてきて「里佳は成功したんだね」と、嬉しそうにしている。


だけどあたしは嬉しくなんてなかった。


由梨の両親は毎日あたしに連絡を取って来る。


その度にあたしはなにも知らないと嘘をつき続けた。


胸が痛くて、ドス黒い感情に埋もれてしまいそうになる。


蓮はいつも通り登校して来ているけれど、由梨の話はしなかった。


あたしが気にし過ぎてしまうから、気をつけているのかもしれない。


昼休み、菜々花を誘ってベランダに出ていると、あたしのスマホが震えた。


「あっ!」


届いたメールの内容を確認して思わず声を上げる。


《イジメ.com》からのミッションクリアメールだったのだ。


メールの下にはあたしが通える大学と、就職できる会社がズラリと書かれている。


それを見るだけでもメマイを起こしてしまいそうだった。


「どうしたの?」


菜々花がまだどこかうつろな瞳でそう聞いて来た。


「ミッション、クリアした……」


嬉しいのか、嬉しくないのかよくわからない感情が胸を閉めている。


「本当に……?」


菜々花の目が輝く。


「うん」


あたしは頷き、菜々花にメールを見せた。