夕方が近づく時間帯、玄関のチャイムが鳴らされた。


桐嶋先輩を待っていたあたしはすぐに玄関へ出た。


「里佳、体調は大丈夫なのか?」


玄関先に立っていたのは蓮だった。


その後ろに桐嶋先輩の姿も見える。


「もうすっかり大丈夫だよ。ちょっと疲れが出ちゃったみたい」


そう言いながら2人を家に入れた。


リビングのソファに座ってもらうと、さっそく本題に入る。


「友達がミッションに失敗したんだって?」


桐嶋先輩が緊張した面持ちでそう聞いて来た。


「そうなんです。ターゲットに正体をバレてしまって、施設に行きました」


その後ターゲットになっていた拓巳が学校に来なくなり、自殺をしてしまったことまで説明をした。


拓巳の事を話している間、桐嶋先輩は大きな呼吸を繰り返していた。


「そうか……」


あたしが話し終えると小さな声でそう言い、カバンを開けた。