女の玲になら、話せそうな気がしていたのだが、と思っていると、

「話せばいいじゃない。
 中身は一緒だよ」
と言って、玲はテーブルの上にあった茅野の手を握ってくる。

「つまりは、女装しているときも、中身は一緒で危険、ということだな」
と玲の手を持ち上げたものが居た。

 秀行だった。

「あれっ?

 秀行さん。
 お帰りになったんじゃなかったんですか?」
と言うと、

「莫迦め、油断したな。
 あれは、出先からちょっと寄っただけだ」
と言う。

 そして、茅野の後ろを見、
「古島っ。
 お前んちの手の早い弟を見張っとけっ」
と言っていた。

 いつの間にか観葉植物の前立っていた穂積は、そんなこと言われても、という顔をしている。

「……茅野ちゃんさあ、ほんとに発信器とか盗聴器とかついてない?
 よく確かめなよ」
と秀行を見ながら、玲が言っていた。