そういえば言いたいことがあるのレビュー一覧
5.0
ひとりぼっちになって出会ったのは、ひとりぼっちの後輩。
知っているのは顔と、名前と、学年――
それだけのふたり。でも、それだけでよかった。一緒にいること、一人じゃないと思えること。それだけで、ふたりはなによりも心強く思えたのだろう。
だから、言いたいことがある。
放っておけない彼を愛しく可愛く思う気持ちが読めば読むほど伝わってくる。
その気持が彼の気持ちに応えられるものなのかどうかはわからない。
わからないからこそ、ラストに希望を感じました。
一年後か、数年後か、わからないけれど。いつかもしかすると――。
彼の彼女にとって、どんな未来が待っていようとも、ともにお昼を食べたこの日々は、ありがとうの気持ちとともに蘇る大切な思い出になるだろうな。
落ちてきた。彼は、傷だらけの銀河。
戦う気持ちもすり減った天音は、銀河と出会う。
傷をつくってくる銀河の手当をしてお昼を過ごすことで
少しずつ自分の傷も治しているんだなぁ。そんな風に思った。
それでもがんばって歩く天音を、銀河を応援したい気持ちで読みました。
僕らの世界は思ったほど優しくないのかもしれない。
厳しくて、ちょっとだけ優しい。
その優しさに出会ったとき「ありがとう」と言えるのだなぁ。
読み終わったとき、銀河という大きな思いから、天の音が聞こえてくる。
「銀河のこと、待ってるよ」
突然現れた傷だらけの彼。いつも持っている絆創膏で手当てをして、お昼を一緒に食べるようになった。本当にただ、それだけの関係。
でもいつしか、お互い惹かれあって大切な存在になってゆく。傷を抱えていたのは銀河だけじゃない。きっと天音も、銀河に傷を癒してもらっていたのかもしれない。
ふたりの絶妙な距離感をこんなにもうまく描ける作者さまを本当に尊敬します。特別な何かがあるわけじゃない。でも心があったかくて泣きたくなる。これからふたりの道がどう絡まってゆくのかなんてわからないけど、銀河はきっと、いや絶対に天音を見つけ出してくれるんだと思います。
作者さまのあたたかくて人間味のある世界観がだいすきです。是非ご一読を。
通い始めて1週間、ふと空から落ちてきた一つの惑星。
ボロボロで色鮮やかなんで言えないその頬を、ふたつのバンドエイドで隠してあげたのがはじまり。
ランチ会、なんの約束もしてないのに来ないことなんてない、たった、ふたりだけの昼休み。
天音は、遠くに行ってしまうけれど。
銀河、がんばって天音を探し出して、またふたりだけのランチ会でも開いてください。
そいえば言いたいことがある
また、出逢えて、もし、言えたら
そのときは
ふたりの世界が、また繋がりますように
傷がある男の子を手当てする女の子ってなんでこんなに素敵なのでしょうか……。
殴られるよりも、「お前の手当てのほうが痛えよ」って言ってる銀河くんもめっちゃ好きでした。
そしてふたりの微妙な関係に、心がうずいて仕方がありませんでした。
会話の一言一言が眩しくて、切ないのにううっと胸が高なったり、いい関係だなって。
ぶきっちょな銀河くんと、悲しい出来事を抱えている天音ちゃん。
優しい時の流れのなかでふたりがすこしずつ近づいていくさまが、すごく好きです。
とても素敵な、優しい物語でした。